キライノカケラ
ソファーにクッションを叩きつける。

哀しくて情けないけど 涙が出てきた。
恐れていたことが とうとう現実になる。


アタシはこれからどんな顔して 千尋を見たらいい?

家族としてなら応援できても
アタシは・・・・・・・・


アタシは千尋が好きなんだもん
笑顔でのろけを聞けるほど 心なんか広くない。


冷蔵庫からロールケーキを出した。
普段のアタシなら かぶりついてるとこだけど


あの千尋に似合わない陰気な 石川 花 が
作ったんだと思うととても食べる気がしない。


ビニール袋にロールケーキーをぶっこんで
手でグシャグシャにした。


こうやって二人が壊れてしまえばいい

力を込めて思いを込めて


いつしかビニールの中はドロドロになっていた。


千尋が

遠くへいってしまったような気がして
アタシはまた


孤独になってしまった。


この間まで一緒に見ていたテレビ番組も
一人で見た・・・・・・。


千尋はとうとう降りてこなかった。
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