毒舌に惑わされて
聖也のメアドと電話番号を教えてもらって、葉月との電話を切ってから聖也にメールを送信する。


‘安藤莉乃です。昨日はありがとう。そちらにネックレスを忘れたようなのですが、ありますか?あったら、取りに行きます。連絡お待ちしてます’


すぐに返信が届く。


‘服を脱いだ時に外して、テーブルの上に置いた。多分、そのままあるはず。明日の夜に取りに来い’


置いたのは誰だろう? 私? 聖也?

忘れていたけど、服を脱いだのは誰だろう? 私? 聖也?

どっちにしても取りに来いとはメールでも随分と偉そうヤツだ。年下のくせにほんと生意気。


‘明日、仕事帰りに寄るね。行く前にメールする’


これに対しての返信はなし。とことん生意気で失礼な男だ。


翌日、残業を終えてオフィスを出たのは7時半だった。


‘今から行きます。いますか?’


‘いない。まだ仕事中。9時頃に来い’
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