毒舌に惑わされて
大倉くんが私のことを年上に見えないと言っていたように、私も頼りになる大倉くんが年下に見えなくなってきていた。


「さて、そろそろ戻ろうか。道が渋滞して、帰る時間が遅れると困るよね?」


「うん。ごめんね、ゆっくり出来なくて」


勝手な葉月のせいで謝る羽目になる。会ったらすぐに文句を言わなくちゃ。


「本当はどこかホテルにでも入って、シャワーを浴びたかったんだけどね」


「えっ?」


そんな下心があったの?


「それは、またの機会によろしくね!楽しみにしてるからね」


そんなことをよろしくされても困ります。


「また誘ってもいい?今日、すごく楽しかったから、また会いたい。何回か会って、返事を決めてね」


そうだ、付き合ってと言われていたのだった。動き回っていて、すっかり忘れていた。


「うん。ちゃんと考えるね」



葉月との約束時間の30分前に戻って来れた。


「またね。連絡待ってるね」
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