毒舌に惑わされて
平然と口を挟む聖也を私は睨んだ。余計なことを言うな!


「朝まで一緒にいたことあるけど?」


「ちょっと」


何でそこで爆弾的発言してるのよ!


「莉乃ちゃん、どういうこと?」


ほら、大倉くんの目が私を軽蔑する目になっている。私は何もしてないのに。聖也が勝手に泊まったのに。


「莉乃、来いよ」


「嫌よ!離して!」


大倉くんに誤解されたままで帰りたくない。ちゃんと説明させて欲しい。


「大倉くん、あのね。えっと…」


でも、何て言ったらいいんだ?

私は口ごもった。やましいことはしてないけど、正直に言うのも躊躇う。


「ほら、急ぐぞ」


「待って!まだ行かないから…」


聖也にしっかりと腕を掴まれ、外に引きずり出され、私の抵抗は無駄に終わり、結局大倉くんに何も弁解出来なかった。
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