恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

もう誰にもやらない

「やっぱりお前しかいないんだ。お前だけなんだ。
この痛みを取り除けるのは。」

「…」

「離婚はうまくいかない。でも、ともかく会いに行こうと思って
行ってみたら…
もう手が届かなくなっていた!!!」

そう言ってくちづけてきた。切羽詰まった全てを飲み込むような余裕のないくちづけ。
意識が遠のき息をすることまで忘れてしまう。

「もうどうしようもないんだよ!!!」

その言葉を発する彼が、私の唇から離れるのと同時に空気を求めて大きく息を吸った。

「俺は、ひなに彼女を見ているんだと思っていた。
彼女への思いを重ね、あの時できなかったことをしているだけだと思おうとしていた。

だからやっと彼女に向き合おうとしたのに…
遅かったんだ。あまりにも遅すぎた。

でも…
なぜか…
彼女の事を意識して、彼女だけがすべてだと思い込もうとしても…
無理だった」




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