恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

躊躇(ちゅうちょ)

その次に意識が戻ってきて、うっすらと目を開けると
みずき君が私の枕元の横の椅子に座っていて、こっちをじっと見ていた。
私はベッドに寝かされている…
おそらくここは休憩室だろう。

「ひなさん…ひなさん?気分はどんな感じですか?大丈夫ですか?
どこか痛い所とかありませんか?」

彼は目の開いたばかりの私をまくしたてた。

「…うん。そんなに質問攻めしないで…
気分はあまり良くないけど、とりあえず大丈夫。私、あのまま倒れたの?」

何も考えず思っていることを口にした。目の前の彼は大きなため息を一つすると

「ひなさん…
無理しすぎです。倒れるまで働いたらいけません。
ましてや自分一人じゃ…
お願いだから、程々にしてください」

同僚である彼なら、この時期誰しもがギリギリいっぱい以上の
仕事を抱えてもまだ足りないことを知っている。
いくら私が体調が悪いからってそんなことは言ってられない。

「うん、ごめん。でもみんなに迷惑かけたくないから…」

「確かにひなさんが抜けたら困るけど、
だからと言ってあなたが倒れるまで働く義務はないでしょう?
自分を大事にしてください」

目の前に座る彼は、憔悴しきっていて、本当に心配そうだった。







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