恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

二人の想い

「そばに居る」

「でも…結局はっきりしない」

「はっきりさせなきゃいけないの?
こんなおばさんが得られるわけがないものを
欲しいと言わなきゃいけないの?」

「なんで、得られないって決めつけるの?
それを決めるのは二人の想いじゃないの?
ひなさんの今の行動は…一時の気の迷いなんじゃない?」


「そんなことない」

「じゃ、きちんと伝えて。心の想いを教えて。
怖がらなくていいから。何を言っても僕はどこにも行かない」


彼は頑固だ。絶対に譲るつもりはない。

でも私には無理だ。だって、怖い。

今まで手に入らなかったものが今更入るとは…どうしても
どうしても思えなかった。


「ひなさんは僕をどう思ってるの?
僕に何をしてほしいの?僕とどうなりたいの?」



「そんなこと言われても…」


彼が携帯を開いて画面を見て、一瞬何かを考えるような
しぐさをして閉じる。


「そろそろ…」




おそらく代行が来るんだ。

まだ何も解決していない。このままお別れは嫌だ!
私はパニックになりそうな気分だった。
< 65 / 195 >

この作品をシェア

pagetop