桜色ノ恋謌
「……SIGMAの梶社長はね、咲絢と付き合ってるのよ。それでわざわざ咲絢を指名してきたの。梶社長は、咲絢が高校を卒業したら結婚するつもりらしいわ。うちの社長も賛成しているの」
「……は?」
自分の耳に入ってきた言葉が信じられなかった。
咲絢が?結婚?
……嘘だろ……?
「……咲絢は、何て言ってるんです?」
目の前が真っ暗なのに、俺のそんな様子には気づかない高橋さんが続けて言った。
「今はまだ戸惑っているみたい。だけど、梶社長と結婚すれば、咲絢にとっても《SIGMA》にとってもお互いにメリットはあるから、社長も多いに乗り気なのよね」
それはそうだ。《SIGMA》は一部上場も間近だと経済新聞にも載ったばかりの株式会社だ。
「だけど、何故その社長が咲絢と?」
「ああ、梶社長は元々咲絢とは幼馴染みで、1年ぐらい前から正式に付き合ってたそうなの。梶社長ね、咲絢と釣り合う身分が欲しいからって今の《SIGMA》を成長させたんですって」
妬けちゃうわね、と苦笑いする高橋さんの声を呆然として聞いていた。
「……は?」
自分の耳に入ってきた言葉が信じられなかった。
咲絢が?結婚?
……嘘だろ……?
「……咲絢は、何て言ってるんです?」
目の前が真っ暗なのに、俺のそんな様子には気づかない高橋さんが続けて言った。
「今はまだ戸惑っているみたい。だけど、梶社長と結婚すれば、咲絢にとっても《SIGMA》にとってもお互いにメリットはあるから、社長も多いに乗り気なのよね」
それはそうだ。《SIGMA》は一部上場も間近だと経済新聞にも載ったばかりの株式会社だ。
「だけど、何故その社長が咲絢と?」
「ああ、梶社長は元々咲絢とは幼馴染みで、1年ぐらい前から正式に付き合ってたそうなの。梶社長ね、咲絢と釣り合う身分が欲しいからって今の《SIGMA》を成長させたんですって」
妬けちゃうわね、と苦笑いする高橋さんの声を呆然として聞いていた。