桜色ノ恋謌
そして私も強く進められて、仕方なくパーティに出席する羽目に。


「主役の二人が居ないんじゃ、話にならないでしょ!?」



プロデューサーさんにそう言われれば、嫌だは言えない。




渋々違うドレスに着替えて、打ち上げ会場のホテルへと移動した。




車中、鳥羽さんが早速次の仕事の話を切り出した。



「明後日には学園ドラマの初顔合わせで、来週にはレギュラー番組の打ち合わせが入ってる。レギュラー2本に梶社長のとこのCMの仕事も定期的に入るから、今よりハードな生活になると思うけど、バックアップはするからな」


「……別に。私は私の仕事をするだけですから。鳥羽さんにはそれ以上は望んでいません」


切り捨てるように言ったのは、これ以上気持ちを揺らされたくなかったから。





このまま鳥羽さんとの間には、壁を作って一線を引いてしまえばいい。




そしたらもう、鳥羽さんは踏み込んでは来れない筈。




私が、『如月咲絢』だというブランドだと、マネージャーとして自覚しているのなら。



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