桜色ノ恋謌

■必ず、いつか

最後はあたしが昂くんに我が儘を言うつもりだったのに。


昂くんにキスされた。


月島くんにされた時とは違って、ものすごくどきどきした。


昂くんの方が月島くんよりカッコいいとさえ思ってしまう。


特別な気持ちを持ってキスするのがこんなに違うなんて、初めて知った。


あたしを見る昂くんの瞳は愛しさに溢れているみたいなのに。




昂くんはどんなつもりで、あたしにキスしたんだろう?




それを聞くのが怖い。


恭哉くんみたいに『妹みたいな存在』だって言われたら。



だから、聞かない。



< 71 / 394 >

この作品をシェア

pagetop