恋愛部☆番長組

修学旅行







 もう、修学旅行の季節になっちゃって

 私は、行かないことにした。




 少しでも、大地君の傍にいたいから。



「...それ、僕の日記帳...」


「うん...大地君のお母さんから預かっ
 ちゃった」



 りんごをむきながら一つずつ、皿に

 入れていく。



「はい、りんご。食べて?」



「わ~い!ありがと~♪」




 大地君が、少しでも


 少しでも...

 長く生きられますように....




 私には祈ることしかできない。
 
 すると大地は食べようとしていた手を

 止め、こっちを向いた。




「ごめんね。千春ちゃん。修学旅行、
 行きたかったでしょ?」


「えっ?ううん。全然。だって大地君が
 いないとつまんないんだもん」



「...そっか。えへへ♪嬉しいな♪」



 この顔が見られるの、後何日なんだろ。


< 230 / 352 >

この作品をシェア

pagetop