恋愛部☆番長組

君に




 ~千春side~



 やっと放課後だ!!
 早く、早く天野君に会いたい――。



 走る。
 
 走って走って―――。


 勢いよく恋愛部のドアを開けた。


「失礼しまっ―――」


 うわっ!!なにこの空気!!

 
 入った瞬間もやっとした男の汗の匂いが
 奥の黒いオーラの二人から漂っている。



「あ、授業お疲れ様~千春ちゃん♪」

 
 近くにいる大地君がまず手を振った後
「こっちこっち」と手招き。


 ?なにかあったのかな。



「あの二人、今戦ってるからじゃましちゃ
 だめだよ~?♪」


「?戦ってる?」


 私にはトランプをしてるとしか
 みえないんだけど...。

 でも、迫力がすごいのは分かる。



 仕方なく、私も藤村さんの隣にお邪魔
 して見守ることにした。



 ...なんか、私来た意味なかったの
 かな。

 天野君は立花君と一緒にトランプして
 るし。

 ...近づけないよ。これじゃ。


「まぁまぁ。そんな顔しなくても大丈夫
 だよ。きっと天野が勝つからね♪」

 風見君は笑って私を勇気付けてくれる。


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