恋愛部☆番長組



「どうして―――...」



 問うすべもなく、私は、
 天野の体に抱き寄せられていた。



 天野君...?


 私の肩に、天野君の頭が乗ってる。
 こんな天野君は滅多に無くて珍しい。


「ハラハラした。またお前が俺からいな
 くなるんじゃないかっ、て......
 もう、どこにもいくなよ...千春...」


 いつにもまして弱くなった天野の
 余裕のない声に熱を浴びてるかの
 ように熱くなる。


 ドクンドクンッ―――。


 天野、君...??


 
「んっっ!!?」


 キスっっ!?
 なんでいきなり!!

 どうしちゃったの、天野君っ!!



「いやっっ!!」



 拒むと、天野はまた迫るように
 肉食化したような動物の目つきをして
 
 再度私にキスを迫る。


「んっ、んんっっ――――...!!」


「―――っは...逃がさない」



 やだ。
 やだやだっ!!
 こんな道路でなにしてるの!?


 するりと伸びる手は私の征服の中に
 進入しようとする。

 
 やだ、こんなのやだっっっ!!!


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