呪島~ノロイジマ~
「でものぉシゲ……」


「ダイちゃんなぁ、ワシ一人じゃねぇんで見たんわ」



「分かっとる。分かっとるわ、そんなこと……

ワシが言いてぇのはそういうことじゃのぉて……」


大輔は一瞬考え込んだ。



「何じゃ?」


「いや……あのな、誰の幽霊じゃろうか?」



「はぁ?」


「いや、じゃけぇ、幽霊の正体じゃがな」



「正体って……ありゃあほんまもんの幽霊じゃって!

誰も幽霊に化けて人を脅かしても、何の得もすりゃせんがな」


「違うわ! そうじゃねぇって!」


大輔は声を荒げた。

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