呪島~ノロイジマ~
船は止まってはいなかった。


速度は落ちてはいたが……


気を失いかけていた茂行の身体を、誰かが持ち上げてくれた。


海面に顔を出した茂行は、思い切り何度も何度も深呼吸をする。


その時……








自分を支えている男の存在に気がついた。

まるで溺死したかのように、目を見開いた体格の良い少年。


苦悶の顔が、ニヤリと笑った。




途端に、茂行の身体は水中に沈み、同時に脚に絡んだロープが引かれる。


茂行は慌てて身体をばたつかせた。

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