イケメン御曹司の秘密
「美味しい」
始めて見る食べ物に、恐る恐る口に入れる。
一口食べれば、当然の感想だ。
「おかわりしてもいい」
久しぶりに、食べてくれる人がいる。
「好きなだけ、食べて」
一人じゃない食卓が嬉しい。
結局、隼人と2人で2合のご飯と大量にあったおかずを平らげてしまった。
「ところで、アパート決まった?」
「いや、めんどうだから、ホテル暮し」
「・・・じいちゃんからいくらもらったの?」
手切れ金にかなりの額を貰っているのであれば、そう考えるのも頷ける。
「何ももらってないよ」
「何も・・・?」
「もらえるわけないだろ。他人なのに散々世話になっておいて」
「・・・」