椿山亜季人の苦難日記

正直者に幸福を(p147-

高校3年、冬。



センター試験まで、あと二ヶ月。


卒業まで、あと三ヶ月。



上へと続く階段の果て、扉を開ければ、どんよりとした冬の空。


吸い込む空気が冷たく鼻を刺激する。


「はぁー…、さむ…。」


学生服の下に、しっかりセーターも着込んで、


それでも寒いんだけど、屋上へは、なんとなくやってくる。


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