椿山亜季人の苦難日記

切れない糸の仕組み(p67-

秘密ができました。

私は、生徒でありながら、先生と特別な関係にあります。

夏休みが、始まりました―…

とは言っても、受験生という立場上、毎日学校へ勉強しに通っていた。


亮介くんと二人のだけの勉強会には、「夏休みの間だけ」と、千歌と亜季人くんも加わっていた。たぶん、この二人は冷房が目的なのだろうけど。



狭い自習室に4人、真面目に勉強する亮介くん、課題をやって飽きたら絵を描く千歌、本を読んでいる亜季人くん、それを見ている私。


ほんの少しの疎外感の原因は、よく分かっている。

この秘密に、負い目を感じているからだ。


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