サクラが咲いた、雨
「確かに!」
「性格いいし、可愛いし、テニス巧いし、成績いいし。欠点ないもんね…」
「女の私たちからしてもドキドキするし、魅力感じるしね!」
「自分が好きな人がもし、『梓紗が好きだから』って振られても、仕方ないなってあきらめられるぐらい、素敵な子だもんね」
けれど、彼女たちは梓紗に対して悪いことなんて言わなかった。
それくらい、彼女たちは梓紗の印象がいいと言うこと。
それだけ、梓紗に対して悪い印象がないと言うこと。
梓紗になら、譲れると言うのだからびっくりだ。
梓紗の人間関係は本当にすごいと思う。
それと同時に彼女の交友関係の広さにビックリだ。
彼女の性格が表れてる。
…それなのに私は。
多分きっと、彼女たちみたいに割り切ることなんてできないだろう。
だって今だって、さっきだって。
『梓紗になら、譲れる』って。
思えないもの。
「……っ」
どうしよう。
私、どうしたらいいの…?