湊くんの秘密。



「心配してくれてありがと。

でも、『カルテット』以外は脇役なんだ。俺の仕事を理解して、ワガママも言わない蘭ちゃんにはいつも感謝してる。

俺だけワガママ言ってることもわかってる。

どんなに忙しくても、ちゃんと学校には来るよ。だから大丈夫。

蘭ちゃんの応援があれば、俺はまだ先に進める」



あぁ…。



あたし、わかってたつもりなのに。

湊くんにこんなことを言わせてしまった。



今までだって、どんなに忙しくても、あたしに電話してくれた。



学校にだってちゃんと来てる。


湊くんは大丈夫だ。

あたしが心配する必要なんてないんだ。



「ごめん…。湊くんのお仕事わかってるつもりだったのに…。

最低だ、あたし…」



ほら、また泣く。

ここで泣いたら、迷惑かけるってわかってるのに。


なんで涙が止まらないの。



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