湊くんの秘密。
「もうすぐ着くよ」
って、湊くんがあたしの方を向いて笑ったから、あたしも『うんっ』と微笑み返した。
そのうちに、ジャケットの端をきゅっとつかむ。
腕に触れるのはまだ勇気がないから。
今はジャケットで…。
チラッと湊くんの様子を窺うように見上げると、
窓の外を眺めていた。
あぁ…それだけで絵になる高2(18)って、もうなにそれ!!!
カッコよすぎて悔しい。
あたしだけ、ただの凡人…。
はい終了ーーー!!!!
戦わずじまい、不戦勝って感じで、
頭の中でプロレスのときに使う鐘が、けたたましく響いた。
それからまた電車が揺れても、湊くんのおかげで
変にフラフラしずに済んだ。