湊くんの秘密。
「きれーだね…」
「…なにその汚いの期待してたみたいな言い方」
キッチンでコップにお茶を注いでいた湊くんは、仏頂面な顔を上げた。
「あたしのイメージ的にはこう…っ「アニメの見過ぎ」
あっさり言葉を遮られて、それ以上はあたしも何も言わなかった。
黒のローテーブルにお茶を置いた湊くんは、ソファを背もたれにして床に座った。
「なんか、不思議…。
今まで大好きだった声優さんの家に、今あたしがいるなんて…」
つられて、湊くんの隣に座ろうとすると、腕を引っ張られて
無理矢理、足の間に座らされた。
「な、ちょっ、湊く…っ、」
「お静かにしてもらえますか」
湊くんは、あたしの背中をぎゅっと抱きしめると、腰に腕を回した。
うわ、うわ。
なに、これ。
顔あつ。
や、体全身が熱い。
どうしよ、どうしたらいいのあたし。
完全にキョドってるあたしを放置して、
湊くんはあたしに甘えるようにくっついてくる。