湊くんの秘密。




「あ〜、と、思ったんだけど、冷蔵庫なんもないや」

「あっ、じゃあ一緒に買いに行く?」



近くのスーパーにでも一緒に行けたら、絶対楽しいだろうなぁ。



擬似新婚、みたいな?



頭の中で、軽く想像を巡らせる。



「よし!そうと決まれば。行くか!」



湊くんが立ち上がったのを見て、あたしもすぐに立ち上がった。



玄関の近くのフックにかけてある家のカギと、

無地の生地に、おしゃれに英語がプリントされたトートバッグを持って。



これがいつもの湊くんのお買い物スタイルなのか。



エコだ。

で……かわいい。



「あ、蘭ちゃん。なに笑ってるの」

「んーん!なんでもなぁい」



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