お嬢様の事情その1

黒い雲が立ち込めて

そんな中私の家ではとある問題が起こっていた。

私の携帯に御祖父様からの電話が入ったのだ。

取引先の会社が次々に倒産に追い込まれているというのだ。

我がコーポレーションにとっては小企業など目ではないのだが、祖父の知り合いの会社であったり親族だったりするため、祖父にご助力を願おうと多くの知り合いが通ってきたそうだ。

私はそこで1つ御祖父様のお力になることとなった。

その宿敵とも言える会社の社長の名は白松恵。娘の名は白松綾美。

全くもって関係ない問題だったものが私にとってすべて繋がってしまったのだ。

綾美とは友達だった。
どうして白松を潰さなくてはいけないのだろう。

私はその晩、闇の中に落ちるようにして眠った。
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