ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
「……かっとばせー、豊田、豊田、ト、ヨ、ダ!!……………打ったぁ~!!ああっショート…、抜けたぁあ~!ライト前ヒット、2塁打~!!!ぃよぉっしゃああ~!!」
「…………。日向、うるさ~い。」
「あ……。つい、すんまへん。」
視聴覚室……。
椅子に立って興奮する私を……
すかさず、神が咎めた。
「ホンマ似てるなあ、秋大と同じや。」
「………。」
また…言いおったな、奴の名前。
けど……、そやなあ、由良おったら、きっと一緒にきゃいきゃい騒いどる気がする。
いてたら……
もっと楽しなるのになあ………。
……………って、
「ちゃうねん!!今のはな~し!!」
「………?いや、今のはバットに掠ったからファウルやで?」
「………。……はい。」
「お、噂しとったら秋大からラインきたわ。」
「…………。」
「あはは、やっぱあいつも見てるって。」
「………………。」
『カキーン……!!』
「……い、いやったぁあ!!サヨナラ逆転ア~チ!!!」
バンザーイ、と両手を上げて、周りの知らん生徒達とハイタッチして喜びを分かち合う。
野球は…、友を呼ぶ!!
「………。ホント、気が合うよねェ、二人。」
「……………?」
「ホラ、これ。今秋大から来たんだけど。」
「……………!!!!」
神が見せてきた携帯の画面には、
『い、いやったぁあ!!サヨナラ逆転ア~チ!!!』。
リアルな由良の言葉が…刻まれている。
「………。はは…、物マネ猿め。器用な芸当覚えおったな……。」