ココロクスリ
disorder
あれから誠に手紙を送ったけど返事がくることはなかった。
あんなに毎日居たのに私と誠の間には写真が1枚も残っていなかった。

日が経つにつれてぼやける誠の笑顔を必死に思い出しては泣き喚いた。

祖父母は腫れ物を扱うように優しく接してきたが,それは私を想っての行為じゃなく世間体を気にするがあまりの行為だって事はすぐに分かったから何も変わらなかった。

それどころか惨めな気分にされて私はリストカットを繰り返すようになった。

今なら祖父母は祖父母なりに私を受け入れようと必死だったに違いないと思える。

だけど,あの頃の私は人のせいにして生きる事しか出来なかった。

ごめんね―。

おばぁちゃん。

ごめんね―。

おじぃちゃん。

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