【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


頭をガシガシと乱暴に掻き、ひとつ溜め息を吐く。


信号は赤から青に変わり、大勢の人が忙しなく動いている。


そんな中、ふたりで立ち止まっている俺たちは恐らく……いやかなり邪魔だろう。


とりあえず、人通りが少ない場所まで行こう。


横目で六花ちゃんを見ると、少し落ち着いたようだが、まだ涙は止まっていなかった。


せめて……と思って、ポケットからハンカチを差しだそうと思ったが、お見事。今日に限って忘れるという失態を侵した俺を誰か殴ってくれこの通りだ。



「……と、とりあえず、ちょっと向こう行こうか?」


「……うん」



結局、手を繋いでエスコート、なんてこともできず、六花ちゃんの歩幅に合わせて隣を歩きながら、近くにあった公園に入った。


冬の夜だから盛大に暗かったが、ゆいいつ一本だけ立っていた街灯に心から感謝を申し上げたくなった。

おかげで、ちゃんと六花ちゃんの顔が見える。



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