【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


あまりにも嬉しそうに笑うから、こちらまで笑みが零れてしまう。


……本当によかった。やっと、一歩が踏み出せたんだ。


立ち止まることを選んだあのときの俺を、やっと乗り越えられたんだ。


ふと、六花ちゃんと目が合う。

えへへっとハニかむ六花ちゃんの笑顔が胸に染みて、心の底から温かくなった。


真冬の公園。
吹き付ける風が、体温を奪って行く。


まるで“カップルはこの風で少し頭を冷やしなさい”と説教されているようだ。


でも、全然寒くない。

身も心も幸せでぽっかぽかですごめんなさい。



「えっと……じゃあ、これからよろしくお願いします」



六花ちゃんの手を取り、小さく会釈。

照れ臭い。ただひたすら照れ臭い。


ほんのり頬を染めた六花ちゃんが笑う。



「……はい。こちらこそ」



そのとき街の方から流れてきた、楽しそうな子どもたちのジングルベル♪ジングルベル♪と口ずさむ歌声が、まるで俺たちを祝福しているように感じた。








――ちなみに、俺が道路に飛び出そうとしちゃったとき、なぜ六花ちゃんが泣いていたのかと言うと。



「間一髪間に合ってよかったなって思って……。ホッとしたら、涙出ちゃって」



だそうです。


……もちろん、



「ぼ、僕は死にましぇん……?」



なんてウケを狙って言ってみたもののポカンとされてしまい俺たちの間に冷たい風が吹き抜けたのは言うまでもない。







      ――松川&六花編*end――

< 172 / 200 >

この作品をシェア

pagetop