【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


ニッコニッコ。満面の笑みを崩さない私に、要くんはやれやれと言った様子で肩をすぼめて笑った。



「明日からは、しっかり勉強しますか?」


「うん、する」


「絶対?」


「絶対」


「寂しくて今日みたいに泣いたりしませんか?」


「……ムッ。泣かないわよ。私を誰だと思ってるの」



強気で言い返すと、要くんは眉を下げて笑った。



「今度は受験が終わるまでですけど、……それでも大丈夫ですか?」


「大丈夫。頑張る」


「なら、よし」



要くんは微笑むと、私の体を引き寄せてひとつキスを落とした。


それだけで体中の体温が上がるのに、心は嘘みたいに安らぐから不思議。


唇が離される。けど、私の後頭部に回った手は相も変わらず固定されていて。


次に重なったのは、唇じゃなくお互いのおでこだった。



「……でも、辛くなったり苦しくなったらいつでも言って来てください。伊吹先輩のワガママも、俺なら聞いてあげられるから」


「……っ」



要くんは子供みたいにハニカんだ。


胸がきゅうううんっ。と締め付けられて、愛しさが溢れて泣きそうになる。



「うん……っ!」



大きく頷いて抱き付けば、要くんもろとも反動で後ろへ倒れ込んだ。


地味~に、痛かったけど。



「「……あははっ」」



それ以上になんだか幸せで、痛みなんてふたりの笑い声に消されてどっかへ吹っ飛んで行ってしまった。


……あと、3ヶ月。頑張ろう。


要くんと、笑って春が迎えられるように、ね。







       ――要&スミレ*end――
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