KICK OFF!
KICK☆1

*1*

はぁ…。

ため息をついて、私は部活紹介の紙を握りしめた。



卯野原(うのはら)ユマ、15歳。
一昨日、私立干支部(えとべ)学園に入学しました!!

高校生活を精一杯満喫しよう!
と意気込んでいたものの。
部活がちっとも決まらない。

好きなスポーツといえば…サッカー。
でも、この学園女子サッカー部ないし。
かといってマネージャーをするのもなんだかなぁ…。

うーん。

俯いて歩いていると。

ドンッ!

誰かにぶつかった。

「わっ…!」

ぶつかった拍子に部活紹介の紙を落としてしまう。

「あー、ごめんごめん。大丈夫か?」

その人は紙を私に差し出した。

「あっ、すみません。わざわざありがとうございます」

ぺこりと頭を下げてその人を見る。

やたらと背が高い。
精悍な整った顔。
白に青のラインのジャージ。

「俺は二年担任の獅子崎(ししざき)コウヤだ」

キリリとつり上がった目を細めて二カッと笑う。

先生なんだ…。

「私は卯野原ユマです」

「お前、一年か?」

「はい」

「んで、部活に悩み中?」

「はい」

「好きなスポーツは?」

「え、と…サッカーですけど」

そのとたん獅子崎先生の目が光った。

そして私の肩をガシッとつかむ。
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