恋する吹奏楽部
トリトン・エムファシス

「二宮くん!二宮ポーズして!!」

「校内新聞の一面に二宮くんを載せたいんだけど、写真とらして!」

勇舞中学校吹奏楽部新部長になったのは、バスクラリネットの二宮 帯斗(にのみや たいと)。

イケメンで、勉強もできるし、運動だってできるし、リーダーシップもあるし、バスクラ上手いし、ファゴットの赤尾をそのまま小さくしたみたいな人だが、

若干ナルシスト…ではなく、自分にとても自信を持っているちょっぴり残念なイケメン。

ちなみに二宮ポーズとは、二宮とサックスメンバーが一緒にプリクラを撮った時にうまれたポーズで、右手でピースし、人差し指を唇に当てるというなんとも乙女っぽいポーズで、二宮がやるとすごくむかつくポーズである。

新部長になった二宮は全学年から圧倒的人気があったため、校内新聞の一面にバーーンと写真が載るらしい。

二宮ポーズで。

「君たちは新聞部の一年生?」

「は、はい!」

「僕のこと、かっこ良く書いてね(はーと)」

「は、はいっっ!!!///」

こうして二宮はどんどん女子をおとしていくのだった。

「二宮!ふざけないでよ!」

「そうですよ、帯斗くん!」

副部長になったのはこの二人。

気が強く、喧嘩も強く、音も強い、チューバの足立 まの。

優しく、大人しく、上品な、コントラバスの琴原 智沙。

三人とも新生オクテットメンバーである。

「足立、新聞部をおいはらってちょうだい。まだ大事な話があるから。」

「はい。ほら、帰った帰った!!」

威圧感が半端ないまのが新聞部をおいはらった。

「えぇぇと、新生オクテットメンバーは随時発表していく。残りの五人は私と加谷ちゃんと、13代目オクテットとで話し合って決める。」

13は前部長の久亜たちのことである。

「ここでみんなにビッグニュースだ。」

珍しく柳先生がにこにこしている。

「今日は伝説のオクテットの北原と白畑がきている!」

そこに登場したのが忍と初。

みんなきゃーきゃー言っている。

「どうも!」

「こんにちは。」

勇舞吹部からすれば伝説のオクテットはスーパーアイドル以上なわけでこの人気ぶり。

おまけにこの二人は美男美女なわけで。

「この二人がみんなに差し入れだってよ!これからこの1、2年で気を引き締めていくぞ!」

柳先生の声とともにみんなが「おー!」と声をあげた。
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