50音恋愛


【ひ】

*ひとりごと*


イジメにあっている私


友達もいないし、助けてくれるような人もいなくて

もう人生やめてもいいんじゃないかって思ってる。


そんな時、

彼はやって来た。

この学校の数学教師だ。


教師はきらい。

イジメは見て見ぬふりをするから

助けてって言ったって一番助けてくれない

ズルい大人だから


「何をしている。」


だからそんな偉そう言われるのも嫌いなの。


教師の言葉を無視していると、そいつは言った。


「今思ってること全部吐き出せよ」

「いや」

誰があんたなんかに。


「じゃあひとりごとでも言ってみろ」



何言ってんの、バカじゃないの

って思ったのに

ひとりごとならいいやって
何でか私は話し始めた。


「イジメられるのはもう嫌

学校行きたくない

でも友達がほしいよ……」


つぶやいた瞬間

何も言わずに立ち上がった先生。


だってしょせんひとりごとだしね。

なんて思っていたら

次の日からイジメがピタリと止んだ。



ひとりごと


なのに、何勝手なことしてんのよって言いながら

明日お礼を言おうと思う。


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