女神の纏足



先ほどの会話で決められた、私の偽の母。


鼻の利く方ならば私がアラストルとレヴィアタンの血を引くことは安易にバレてしまう。


ならば違う母を立てなくてはならない。




マリン様という方は、実の母リノン様のお従妹に当たられる方でもうこの世にはおられない。


駆り出すには最適の方。





「今日から私の母はマリン様お一人。」



研究所でベル様に言われたことを思い返す。




″これがバレればユニは裏切者の子として王位継承権を剥奪されかねん。″



″リノン様とラオスの名、そして大魔王の名すら地に落とすことになるだろう。″



″よいか。これは他言無用。墓場まで持って行くつもりでいなさい。″





私の意志の強さに、ラウ様が一瞬慄(おのの)いたのが分かった。




「命令です。」



純血種の、命令は絶対。



「研究所でのことは、忘れてください。」




真実を知るのは、



「私の父はラオス・レヴィアタン。母はマリン・アラストルです。」





私とベル様と、ラニア様だけでいい。




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