白いジャージとオレンジジュース






「そうそう、誠人からメールが来てたんだよ。また遊びに来るって」



授乳している私の横にくっつきながら、先生が小声で言った。




「本当に?嬉しい!!愛花ちゃんに遊んでもらって空も嬉しそうだったもんね」



私は、おっぱいを飲む空を見つめながら、愛花ちゃんと遊ぶ空の笑顔を思い出した。






何度か愛花ちゃんと一緒に誠人さんと花帆さんが来てくれた。


すっかりお姉ちゃんの愛花ちゃん。


空のことを弟のようにかわいがってくれている。






「愛花ちゃんを見てると、妹や弟が欲しいんじゃないかなって思うこともあるけどな」




先生は、腕組みをして目を細めた。





「そうだね。でも、あのふたりの決断は間違ってないよね」




「ああ、そうだな」





誠人さんと花帆さんが今すぐ結婚しないという道を選んだこと。




自分に子供ができてみて、初めてわかる。





愛花ちゃんがもっと大きくなってから、結婚について話し合うことにした。



その決断に、私も先生も感動したんだ。




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