白いジャージとオレンジジュース





「子供はかわいいけど、本当に大変。自分の時間ないもんね」





里田は、走り回る虎太郎を見つめながらしみじみ言った。





「男にはわかんないよ、この気持ち」



小さな声でそう言った里田だったが、ちゃんと龍には聞こえていた。





「何だよ、それ。俺だって、理解しようとしてるのに」




「だって、龍はゲームしたり、飲みに行ったりしてるじゃん。私にはそんな自由時間ないもん」






相変わらずのふたり。



でも、確実に成長しているふたり。



母となり、父となり、だんだんしっかりしていくんだよな。






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