白いジャージとオレンジジュース
「直ちゃん、本当にしっかりしたよな。女ってすげーな」
「そうだな。俺よりもずっとずっと成長してるよ、直は」
俺とたっくんは、ソファで話している直達を見つめていた。
龍は、ベランダでひとりタバコを吸っていた。
「龍、元気?」
俺が声をかけると、ふふふと意味深に笑った。
「子供はかわいいんですけどね、疲れます」
と意外な発言をした。
虎太郎のことがかわいくて仕方がないという雰囲気の龍なのに。
「休みの日は、完全に虎太郎の為に使っているという感じで。それが父親なんですけどね」
すっかり父親らしくなった龍の横顔を見つめた。
俺とたっくんは、龍を挟んで、龍の肩を抱いた。