三種の神器‐戸嘴美園（こはし みその）の場合

第８章‐決して侮れない理由

　　此処は楓駕（ふうが）指定の待ち合わせ場所で、タワタービルの最上階にある空中庭園である。




「うっわあー！ステキ！まるでパノラマのように３６０度街の全景が見渡せるんだ！って言うか、街全体がちっさ！まるで箱庭のようだわ！」
　　と感激のあまりそう叫ぶと、即座に美園はランダムに備え付けられた無料の望遠鏡を覘いて見た。




「す・すごい！素で見るのとは断然に違って望遠鏡で見るとこんなに大きく見えるんだ」
　　と美園が驚きを隠せないと言うような感じで、必死に望遠鏡にしがみ付いていると突然にパシャ！っと言う音と共に視界が遮られた。




　　すると遠くの方で
「美園こっちの方だともう少し長く見られるよ」
　　と楓駕が叫ぶ声が聞こえた。