三種の神器‐戸嘴美園（こはし みその）の場合

　　そして美園は運ばれて来たカルーアミルクを一口飲んでからしばらくすると、七乃葉が店内に入って来るのが見えたので、美園は七乃葉に向かってニッコリと微笑んだ。尚、今夜は土曜日のせいか時間が経つほどに店内のテーブル席が埋まってゆく。




　　席に着くと
「美園お久し振りィ」
　　と満面の笑みでもって言ってから、七乃葉は美園の手を素早くギュっと握り、美園との久し振りの再会の喜びを表現した。




　　尚、元々お洒落な七乃葉ではあったのだが、今夜はよりフッションセンスに磨きがかかったようで、渋めのエンジ色の〇ャネルスーツに黒のムートンブーツを履き、黒のミデアム丈のレザーコートに身を包んだ七乃葉は、とっても輝いて見えた。




「あららら。美園ったら相変わらずカルーアミルクなの？もっと大人の味のカクテルもあるのにね」
　　と笑いながら七乃葉はスカイフィズをオーダーした。