三種の神器‐戸嘴美園（こはし みその）の場合

　　美園は七乃葉と楓駕（ふうが）を会わせる為に、早速その場でケータイを開き楓駕にメールを送信した。勿論楓駕に宛てたメールには七乃葉の事を伝えてはいない。取り合えずいつものように二人で会う約束の無難な内容のメールのみである。




　　尚、楓駕からの返信メールは美園が七乃葉と別れて美園が自宅に着き、まったりと寛（くつろ）いでいる夜中遅くに美園の元に届いて、約束の日にちは運良く来週の金曜日に決まった。




　　　まあ、こう言う事は先手必勝の如く早目早目に行動を起す必要があると考えていた美園は、内心ホッとした。なので引き続き一応七乃葉に楓駕と会う日にちが決まった事を伝えるメールを送信しておいた。




　　　すると七乃葉も結構乗り気でいた為か、即返信メールをくれた。そして約束の金曜日。美園は七乃葉と某駅の改札口前で待ち合わせる事にした。