私と貴方とあの子と・・・【完】




もう講義が始まるという時になって、

「隣、いい?」

濁りの無いような透き通った声が隣から響く。

ハッと見上げれば…
甘い顔立ちをして、茶色の髪の毛が柔らかそうな男の子。

何だか可愛らしい・・・

身長こそは男子の平均ぐらいだが、
顔立ちといい、
声といい、
雰囲気といい、

神秘的なものさえも感じる・・・


例えるならそう・・・天使。


恋に盲目な女子なら、一瞬で恋に落ちるだろうな・・・なんて客観的に思った。


私も普通の女子だ。
彼に一瞬で心を奪われるなんて事にもなりそうだが、

ならなかったのは、
彼と凡人な私とでは不釣り合いだとカッコイイ彼を見れば思い知らされたし、

『この講義にこんな人居たっけ?』と不振に思ったから。



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