侍ヴァンパイア
俺は、咄嗟に、、、




それを庇い、暴れるゆうなを抱き締めたーーー




背中に走る生々しい痛み




その衝撃で、あの時の不思議な傷が更に胸をえぐりあげる




「大丈夫、大丈夫だから」




なだめる様に、暴れる彼女を目一杯優しく抱き締めた




「血、、、血、、、」




「まぁ待てよ…。」



ーーー!!!




ゆうなの首筋に、俺は初めて牙を突き立て、
コクッ、っと一口、血を啜った、、、





とろける様に、甘く美味な味ーーー




けど、今のゆうなには、限度を間違えば命取りになるーーー

だから、ほんの少しだけ啜った、、、




ビクッ!?




ゆうなの動きが少し止まるーーー




呪いの解き方




俺には簡単に出来て、人間のゆうなには出来ない事、、




それはーーー




血のーーー交換ーーー





「欲しいか?



なら、好きなだけ飲むがいいーーー




その代わり




ちゃんと呪いが解けたなら




お前の全てを俺にくれーーー」




クィっと、ゆうなの顔を俺に向かせた




「一度しか言わない




俺は、お前を愛してるーーー」





触れるだけの、優しいキスをしたーーー




次の瞬間




俺の首筋に、ゆうなの尖ったキバがブスッと突き刺さるーーー




それでいい、、、




~ゆうなside~




温かな喉を潤すモノーーー




喉が、渇いて渇いてしかたなかったの




ーーー愛してると




キョウが囁いている気がしたーーー




まさかーーーね?





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