乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

ショックが大きすぎて、何も言い返すことができなかった。

思い当ることはいくつかあった。



陸さん、自分が高校行ってないからって、普通の人よりも倍以上頑張んなきゃいけないんだって言ってた。

朝早くから夜遅くまで仕事頑張ったりして…

じゃないとあたしを幸せにできないって。

そう言ってくれた時はすごく嬉しかったけど…


そんなにあたしが重荷だったなんて…

あたしはなんて馬鹿なんだろう。

自分の事でいっぱいいっぱいで…


「藤沢さん、陸を解放してあげてほしい…陸がかわいそうだよ」


美優さんは俯いて肩を震わせていた。

美優さんもまた、好きな人を想って泣いてるんだ…

あたしを憎むほど、陸さんを愛してる。

その思いが、ひしひしと伝わってくる。


< 181 / 296 >

この作品をシェア

pagetop