乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

「あたし…陸さんがまだ乱華のみんなと走りたいんだろうなってこと気づいてた。でもあたしのせいで走れないし。色々無理してるんじゃないかって…」



「あたしのせいとか言うな。確かにあいつらといると楽しいけど、引退したことを後悔したことなんて一度もない。逆に奈緒のおかげで辞められたんだからな。お前がいなかったら俺は今もハンパな人生送ってたと思う」


そう言って、あたしを強く抱きしめる。



「奈緒は俺の光なんだよ」


「え…?」


「俺はその光に導かれてここまでやってこれたんだと思う」


そんな嬉しい言葉、あたしには勿体ないよ。

あたしこそ陸さんがいたから今まで頑張れたんだから…



「…あたしたち、同じ気持ちなんだね」


抱きしめていた力が弱まると、


「美優の事は、近々解決させる。お前が不安になることなんてねーから、心配すんじゃねーぞ?」


と言いながら両手であたしの涙をすくってくれた。


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