乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
頭が真っ白になり、一瞬何も考えられなくなった。
美優さんは時々しゃくりあげながら泣いている。
いくらあたしを嫌っていたとしても、これは冗談には聞こえなかった。
どうして?
なんで!?
疑問符だけが頭の中を駆け巡る。
『本当にっ…やばいかもしれないの…早くっ』
あたしは美優さんのその言葉を最後に電話を切り、歩いてきた道を引き返した。
足がもつれてうまく走れない。
夢の中で何かに追われているとき、走っても走っても前に進まなかったりするけど、あーいう感覚に似ている。
大通りに出てタクシーに乗り込んだ。
頭がぐわんぐわんする。
どうして…陸さん…
何があったの!?
どうして美優さんと…