乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】



「あ!奈緒さん!?」


そこには陸さんの後を継いで乱華の頭になった今江君がいた。


「今江君もここで働いてるの!?」


「はい…実は俺、この前乱華引退したんです」


「え!!」


そんな話、聞いてない。陸さんは引退してから乱華の話をあたしの前で全然しなくなったし…



「俺ももう18じゃないすか、桐谷さん見習って辞めたんです。そしたら桐谷さんがここで働かないかって言ってくれて…まだバイトですけど、いつか桐谷さんみたいに仕事できる人になりたくて」


「陸さんみたいな…?」


「はい、桐谷さんすごいんですよ、年上の人達もまとめちゃうんですから」


「そうなんだ…」


「あ、桐谷さんに会いに来たんですよね!?ちょっとこっちで待っててもらっていいすか?」


そう言われて案内されたのは小さなユニットハウスだった。

一応事務所っぽい。





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