乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
隣の席の男


翌日、舞香は朝からテンションが高かった。


「奈緒の彼氏まじかっこいいしー羨ましいんだけど!一体どうやって手に入れたわけ!?」

あたしの前の席に座り、化粧ポーチからファンデを取り出して自分の顔に塗りたぐった。

舞香は去年別れてから1年くらい彼氏がいないらしい。普通に可愛いし明るいし。舞香なら良い彼氏がすぐできそうだと思うのに…。


「手に入れたって…」


「大人しい奈緒があーいう感じの人と付き合うなんてびっくり。ねぇ、どこで知り合ったの?」


「んー友達の紹介…かな」


詳しくは話せないし適当に言っとけばいいかなと思ったけど、舞香はなかなかしつこい。


「友達って!?てか彼氏年上でしょ!?仕事してんだよね!?」


色々と返答に困ってると、誰かがドサっと勢いよく隣の席に荷物を置いた。


反射的に隣を見ると、浅野康大(アサノコウダイ)がこちらを見ている。


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