乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


「ありがと」


お母さんから箸を受け取ると、バッグの中に乱暴に突っ込んだ。

それを見ていたお母さんが、「女の子らしくないわね、そんなんじゃ陸君に嫌われちゃうよ?」なんて言って、笑ってる。


昔はちゃんと礼儀正しく、女の子らしくしてないと物凄い叱られた。

それは義父に嫌われたくない一心で私に厳しくしていたのだと、前に話してくれた。



「じゃ、いってくるねー!」


玄関を開けると暖かい春の日差しが全身に降り注がれる。


あたしも今年で高校三年生になった。


真面目に学校も行くようになって、成績も結構良くなった方…だと、自分で思ってる。

栞と高校が別々になって寂しい思いをしていたけど、去年新しく友達もできた。




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