乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

店内に行ってみると、美優さんがトレイの片づけをしていた。

私服のあたしを見て驚いた顔をしている。


「え、どうしたの?もうバイトの時間だよね?」


「あの…店長いませんか?」


「店長ならさっき他の店舗に用事あるって出て行っちゃったんだけど…」


そう言って、あたしを怪訝な目で眺めている。

美優さんになら言ってもいいかな…


「実は…ユニフォームがないんです」


「ユニがない!?ロッカーに入れてたんだよね?」


「…はい」


どうしよう…

怒られちゃう。てかユニ代弁償かなぁ…


「そっか…じゃ、ちょっと来て?」


あたしは美優さんの後を追って更衣室へ向かった。


「店長が来たらあたしから言っとくからとりあえずこれ着てて?」


引き出しから新しいユニフォームを取り出し、あたしに渡すと、周りを見回した。


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