恋する季節 *- confession of love -*
そんな会話をするふたりが着ているのも浴衣だった。
美琴の浴衣は紫を基調とした生地に、淡い色のたくさんの枝垂桜が描かれているデザインのもので、黄色い帯を締めていた。
一方の彩乃がまとうのは、黒を基調とした和モダンなものだった。
大胆にあしらわれている白い花が目を引く。
赤い帯にはキラキラとしたなだらかなウェーブが描かれていて、まるで天の川のようだ。
髪もそれぞれアップしていて、そんなふたりに男の視線が集まる。
なにしろ美琴も彩乃も、ミスコンでは毎回名前が挙がるほど人気の高い、見た目麗しい女子。
そんなふたりが並んでいて目を引かないハズがないのだ。
「ところで美琴、ここの観覧車って乗った事ある?」
乗っていないと答えた美琴に、彩乃がにぃっと口角を上げて説明を始める。
実は前にも触れた通り、Nランドの観覧車にはちょっとしたジンクスがあるのだ。
内容はというと、観覧車に乗る際、搭乗者には赤、青、緑色の三本の糸が渡される。
それを、観覧車が頂上に着くまでに自分の利き手ではない方の小指に自分で結びつけられたら願いが叶うというジンクスがある。
ちなみに色が分かれているのは、赤が恋愛、青が夢、緑色が健康の役割を持っているからである。