絶滅危惧種『ヒト』
孝明は目を覚ました。


(今日もいい天気だなぁ……)


そう思いながら、身体を起こす。


それにしても……。昨夜の出来事を思い返した。


あれは本当に現実なのだろうか?


まさか姪っ子のクラスメイトと、ヤってしまうとは……。


もちろん自分は独身なのだから、それに関しては問題はない。


ただ……孝明の記憶が確かなら、17歳の女の子と性行為をするのは、法律に反しているはずである。


ましてや相手は、梓の親友。


間違いなく梓に責められるに違いない。


でも……。


朋美は可愛かった。いや、可愛い。料理も美味いし、気が利く実に良い子だ。


出来ればこのまま交際を続けて生きたい。


それが孝明の本音である。


起き上がった孝明は、キッチンの冷蔵庫を目指して歩き始めた。


何だろうこの感じ?


ふとお腹の中の違和感が気になった。


痛いわけではないのだが、何とも説明のしがたい、変な感覚。


このとき孝明は風邪を併発していたから、それを風邪のせいだと思い込んでしまった。

< 67 / 223 >

この作品をシェア

pagetop